自論: 片づけは他人に任せてはならない
自発的に片づけを他人に任せるADHDのひとはいるのか?
ADHD関連書籍で片づけの話となると、最終手段として業者に頼むとか知人に手伝ってもらうなどがよく載っています。でも、どうしようもなく部屋が汚くても自発的に他人にお願いする人はほとんどいないのではと思います。
というのも、よくある話ですが一見無秩序に見えてもその空間が本人にとっては秩序だっていて、何がどこにあるのか大体把握していたりしますし(私もそうでした)、自分のテリトリーを侵されるのは誰しも抵抗があるからです。大人ならなおさら。
実家でのものすごく嫌な記憶
これは意図せずに片づけをされてしまった一つの例です。
実家にいるとき、家をリフォームをすることになり、私が使っていた部屋もきれいにしなくてはならなくなったことがあります。当時はADHDだと認識はしていたものの、どう対処していけばいいか全くわからなかった時期だったので、片づけを先延ばしにしていました。そうしたらある日無理やり家族や親せきが勝手に片づけてしまったのです。
それはそれは不快な記憶です。自分の大切にしているものが適当に扱われていたり、勝手に捨てられていたわけですから。
母は私にタンスを買い与えた
さらに、片づけというよりは収納ですが、他人に任せるとどういう悲惨なことが起きるかについてのエピソードがあります。
私が十代のころ、衣類が増えてきたので母がタンスを買ってくれたのですね。とてもうれしかったのを覚えています。でも、しばらくするとタンスは使われなくなり、中身はからっぽに。肝心の衣類はそこらへんに散乱していました。
今だからわかりますが、私にはタンスの引き出しを開けて服を取りだして引き出しをしまう、あるいはその逆の作業ができなかったのです。複数のアクションを伴う作業が苦手だということです。その上、タンスの中身は目に見えませんから、何がどこにあるか把握できないのも不安だったのかもしれません。
肉親でさえこれなのですから、安易に他人に片づけは任せたくはないなと思うわけです。
(ちなみに、現在私は服は基本的に掛けるか決めたところに山にするか、のどちらかです)
どうするのがベストか
では、どうすればよいのでしょうか?他人に任せるのがNGであれば、自分ですべて片づけるのかよいのでしょうか?あるいは他人に依頼しつつその場に自分も同伴して、いる/いらないの判断などは自分でやるのがよいのでしょうか?
個人的には、他人に片づけてもらいつつ自分で判断するくらいならすべて自分でやってしまったほうがいいと思います。
というのも、ADHD的な人たちはやることが明確に決まっていて結果が目に見える場合は時間をかけずにできてしまうのではないかと思うからです。一方、考えを巡らせたりすることにはそれなりの時間と尋常ではない気力(これがキーファクタだと思います)がかかるのではと思います。
ですから、やろうと決まればすぐできるところを他人に任せるくらいなら、計画から実行まですべて自分仕様で進めたほうがメリットが多いと思うわけです。
そして行き着いたキーワード「再現性」と「持続性」
そこで、本気で部屋を片づけたいと思ったときに目指したのは、
- 少し散らかってもすぐに「再現」できる部屋
- ある程度きれいな状態を「持続」できる部屋
の2点でした。
それさえ守れば汚くなって自己嫌悪に陥ることはあまりなくなるのではと思ったのです。
片づけを実行するにあたり、今までの自分の片づけや生活習慣を見直すとかなりひどかったです。極端な例でいうと使用頻度の高いものが収納棚の奥にある、洗面所に米が置いてある、など謎行動ばかりでした。
そのような振り返りから自分の特性を理解し、片づけにフィードバックしていったわけです。それは他人にはなかなかできないことだと思うのです。ちなみにこの分析と片づけの計画には時間を割きましたが、片づけ自体にはそれほど時間をかけていません。
汚くても本人がいいならそれでいい。
しかし片づいていたほうが生産性が上がる可能性が高い。
ここでは片づけることを前提に話を進めてきましたが、片づけないという選択肢ももちろんあると思います。他人に迷惑がかからないのであればですが。
ただ、片づいていると頭がすっきりして生産性が上がる可能性が高いと思います。例えば、部屋が汚いころは私は朝の服薬をよく忘れていました。ものが多すぎて、ものがノイズになっていたのです。でも、ある程度片付いてからは基本的には必要なものしか目に映らないので、きちんと薬を飲むことができ、正のサイクルができました。
とりあえずのまとめ・補足
部屋の片づけで悩んでいる方、もしいらっしゃれば、ご自分でなんとかできるかもしれません。ノートと鉛筆を用意して、自己分析と計画をたててみることをお勧めします。
過去記事も参考にしていただけると幸いです。
また、片づけは他人に任せてはいけない、などというタイトルをつけてしまいましたが、もし身近なひとに障害特性を理解してくれる方がいらっしゃれば相談・協力を求めることももちろんよい(むしろ素晴らしい)選択だと思います。
長いエントリになりましたが、最後まで読んで下さりありがとうございました。
誰の得になるかわかりませんが、片づけ前の私の部屋の写真を載せて終わります。